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2019年1月15日
扶桑社 代表取締役 久保田榮一様
「週刊SPA!」編集長 犬飼孝司様
発行人 渡部超様
公益財団法人日本YWCA
会長 藤谷佐斗子
総幹事 尾﨑裕美子
『週刊 SPA』掲載記事に強く抗議します
貴社が発行する「週刊SPA!」2018年12月25日号に、「ヤレる女子大学生RANKING」との記事が掲載されました。「性行為に及びやすい」と判断された女子大学生の特徴を紹介し、その大学をランク付けしたこの記事は、女性の人権を侵害し、その尊厳を傷つける許しがたいものです。日本YWCAは、特に以下の3つの観点から強く抗議します。
1. 「女子大学生」の多くは18歳~20歳の未成年を含む若い女性たちです。彼女たちを「ヤレる(性行為できる)かどうか」という視点で取り上げることは、若い女性に一方的に「性的な役割」を押し付けていることになります。また「ヤレる」というタイトルは、明らかに性行為を「する」側と「される」側に分け、「する」側は男性であり「される」側は女性であることを前提としています。性暴力は相手との不平等な関係の中で相手を支配するために起こるのです。つまり、性行為を「する」側、「される」側に分けることそのものが、性暴力を肯定し、助長するする考え方です。
2. 「女子大学生」は性の道具ではありません。一人ひとりがそれぞれに人格と意思決定権を持っています。セックスを含む性行為は全て、相手との合意の上で行われるべきであり、相手を「ヤレる」かどうかという視点で見ることこそが、すでに性暴力です。これは許されることではありません。
3. メディアには公正な情報を伝える社会的使命と責任があります。同記事には「就活相談で仲良くなれるチャンスが多い」などと記されていますが、性行為に及ぶために相手をだましても良いという危険な認識を広めることもまた、あってはならないのです。
日本YWCAは「若い女性のエンパワメント」を大切に活動していますが、このような、今回の貴社の記事は若い女性を貶め、自分は男性たちに支配される従属的な存在なのだということを内在化させ自己肯定感を阻むものであることも重大な問題と考えます。
日本YWCAは、「週刊SPA!」編集部と扶桑社に対し、謝罪のみならず、具体的な再発防止策を強く求めます。
日本 YWCA
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